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<戸倉上山田に伝わる民話>
【小石(恋し)の湯伝説】
昔、千曲川のほとりにお政という可愛く賢い娘がおりました。ある夏のこと、娘は往来で腹痛に苦しんでいる若者を見つけ、心をこめ看病したお陰で若者は元気を取り戻しました。その若者は米吉といい、たちまちお政に心を奪われてしまいました。実はお政も同じ気持ちでした。
やがてお政に縁談がもちあがり、孝行娘のお政は米吉のことを胸に秘めたまま同意したのですが、何と縁談の相手は米吉だったのです。二人に異存のあるはずがありません。
結婚を間近に控えた米吉は所用で江戸に出掛けましたが、予定を過ぎても戻ってきません。心配したお政は近在の霊験あらたかな十一面観音様に願をかけ日参しました。
ある日、お政の夢に一人の老人が現れました、老人は米吉の無事を告げ、「そちは[信濃なる千曲の川のさざれ石も]という歌を知っておるかな。」と尋ねました。お政は「はい、存じております。万葉集の東歌[(後歌)君し踏みてば玉と拾はむ]と教わりました。」と答えました。老人はほほ笑んで「この歌のように米吉の踏んだ千曲の川石、それも角のとれた赤い小石を百個拾い上げるなら米吉は帰ってこよう。」と言って去りました。
観音様のお告げと、お政はそれから毎日河原に出て角のとれた赤い小石を探しました。九十九個になりましたが、最後の一個がなかなか見つかりません。身体をこごらせながらある朝も出かけますと、一つの人影が右手で河原を指差します。そしてそこからは湯気がたちのぼり温かい湯が流れ出しているではありませんか。その湯で手足をあたためつつ探すうちに図らずもお政は百個目の小石を見つけたのでした。
夢のお告げのごとくその日のうちに米吉は江戸から戻りました。以来、このいで湯は「小石(恋し)の湯」と呼ばれました。
【信濃伝説『姨捨山(おばすてやま)』】
信濃の国更級の里(戸倉上山田温泉)に一人の若者が住んでいました。若者は養ってくれた伯母を母のように慕い、大切にしていました。ところがこの国の殿様は年寄りが大嫌いで、六十歳以上になった者は山奥に捨てよ、とのおふれを出しました。伯母も七十歳になってしまい、若者は泣く泣く背負って、姨捨山に捨てたのでした。けれども、後ろ髪がひかれ一人で帰る気になれません。
若者はそっと引き返し、老婆を背負って帰途につきましたが、道がわからなくなってしまいました。すると老婆は「おまえが道に迷わないように、小枝を折ってあるからそれを目当てに歩きなさい。」と教えてくれましたので、無事帰ることができました。そして地下室に隠しておきましたが、殿様に知れてしまいました。殿様は「もし灰の縄をもってくれば許す。」とのことです。困った若者が老婆に相談するとすぐ教えてくれました。それを持っていくと殿様はたいそう感心し、経験のありがたいこと、大切なことがわかり、それから老人を大事にする国振りにかわったということです。
わが心慰めかねつ更級や おばすて山に照る月を見て(古今和歌集)
【葛尾城と笄の渡し】かつらおじょうとこうがいのわたし
「笄(こうがい=簪 かんざしのこと)の渡し」は当温泉から千曲川を2キロほど上流に向かったところに位置します。
村上氏は清和源氏より出で、南北朝時代より村上郷(旧上山田町、旧戸倉町、坂城町)に移り、以来北信濃一帯に勢力を張った豪族でした。戦国の世、村上義清は甲州の武田勢とよく戦いながらもとうとうその居城葛尾城を攻められ、天文22年(1549)春4月、落城寸前まで迫られました。義清の奥方は、侍女たちとともに敵の目を逃れながら村上氏の一族山田氏の守る荒砥城(上山田温泉の後方の現在の城山にあった)へ落ちのびようと渡し場から船に乗りましたが、荒砥城への道を細かに教えてくれた船頭の親切に感謝し、その礼として「再びこの地を領することに相ならば、重い恩賞を授けよう」と言って、髪にさしていた笄を贈ったということです。その古事にちなみ今も「笄の渡し」と呼ばれています。
【女涙坂】おなみざか
葛尾城からわずか3キロ離れたところ、難攻不落を誇った戸石城は天文20年(1551)5月、武田の謀略工作により真田勢の不意討ちを受け、突如落城してしまいました。以降、周囲の同志が武田方へ寝返っていくなか、2年後の天文22年4月9日、大須賀久兵衛らの軍に攻められて葛尾城もついに落とされたのでした。
奥方は追手の難を逃れて千曲川の渡し場(笄の渡し)を渡り、草林を分け登り、城の焼け落ちるさまを振り返りつつ、泣きながら坂を下り、東国寺に駆け込んだと言われています。
その後、この坂を「女涙坂」と呼んで、戦国時代の悲話として伝えられています。
<周辺の観光>
- 【智識寺】
身の丈3メートルの十一面観音像は、全国に数体しかない一木作りのひとつ。聖武天皇の時代の行基の作と伝えられており、カヤぶきの大御堂とともに国の重要文化財となっています。いろとりどりの葉隠れに見える秋の大御堂は、時を超えた情緒を感じさせる素晴らしさです。
アジサイ寺としてアジサイでも有名ですが、最近は紅葉でも有名に。
- 【城山史跡公園】
四の郭、三の郭、二の郭、本郭と登り、館や見張り台、兵舎、門、板塀、矢倉等を見ながら、心はいつしか中世へ。戦国時代の連郭式山城、荒砥城を工法等までこだわった復元。城や遺構、展示品などさまざまな史跡環境のなか、戦国時代へタイムスリップした気分。山頂からは千曲川や温泉街、善光寺平が一望でき、城主気分で天下を見下ろせます。またここから眺める日の出は最高で、1月1日には初日の出を見るイベントに人々が集まり、元日の新名所にもなっています。
■初日の出を見よう 1月1日
開園時間 9:00〜17:00(ただし、入園時間は16:30まで)
休園日 12月29日〜1月3日・料金 大人300円・小中学生100円
お問合せ 026-275-4557 教育委員会
- 【千曲川万葉公園】
戸倉上山田温泉は、昔から多くの文人墨客が訪れ、歌を詠み、幾多の作品を生み出した文芸の里。
万葉公園は、万葉橋のたもと、千曲川に沿って広がる公園。古く万葉の時代から現代に至るまでの信濃を歌いあげた27の歌碑が建っています。その優れた歌の数々もさることながら、一茶や虚子をはじめとした代表的歌人の直筆の刻まれた歌碑からは詠み手の人となりも偲ばれ、新たな感動を呼び起こします。心地よい川風に吹かれながら、のんびり文芸散歩しませんか。
お問合せ 026-275-1753
- 【善光寺大本願別院】
戸倉上山田温泉が一望できる城山史跡公園の入口に位置する善光寺大本願別院。ご本尊の御恵観音菩薩と善光寺如来三尊のご分身が祭られており、毎年7月18日に善光寺上人による大法要が行われ、賑わいをみせます。境内を彩る木々の表情にも趣があります。
料金 大人300円・小学生300円
お問合せ 026-275-1757
- さらしなの里【古代体験パーク】
約4,500年前の縄文時代の集落を復元したテーマパーク。園内には竪穴式住居五棟と高床式倉庫一棟の復元のほか、住居内の様子がわかるよう丸太の骨組みだけの住居などもあります。池や小川、木の実の森など古代の村がまるごと復元され、四季折々の古代植物が幻想的な空間を醸し出しています。隣接する資料館では、土器や石器づくり、古代の編物に挑戦したり、古代楽器の演奏や火起こしなど古代体験がいろいろできます。
[歴史資料館]
開館時間 9:00〜16:30・休館日 毎月曜日、祝祭日の翌日、年末年始・料金 大人200円・小中学100円
お問合せ 026-276-7511
- 【水上布奈山神社】
諏訪大社の流れをくむ一間社流造りの神社。江戸時代後期を代表する名宮大工棟梁・大隅流柴宮長左エ門矩重により寛政元年に建立されました。上り竜や下り竜、竹林の七賢人など様々な彫刻はどれも見応えたっぷり。国の重要文化財に指定されています。
お問合せ 026-276-7511
- 【酒造コレクション】
信州の酒造り380年の伝統を伝える資料館。
民族資料館、雲山蔵元資料室、酒造資料室で構成され、18世紀後半(宝歴・寛政・慶応時代)からの酒蔵等に天保時代からの酒造り用具や当時の歌仙などを展示。民族資料館では、美人画で知られる夢二の屏風絵も見ることができます。
休日 1月1日〜1月3日・料金 大人315円・小中学158円
お問合せ 026-275-2923
- 【湯の里親水パーク】
「水と親しむ」がテーマの千曲川河川敷の憩いの公園。中央のシンボリックな樹木型の噴水は、晴れた日には虹ができ、夜は美しいライトアップでロマンチックです。公園内ではマレットゴルフも楽しめます。
お問合せ 026-275-0004
- 【佐良志奈神社】
允恭天皇(433年頃)の創建といわれ、地元の人々からは“若宮様”と呼ばれ、親しまれる佐良志奈神社。作家・志賀直哉の「豊年蟲」にも描かれている神社です。
お問合せ 026-276-6138
- 【戸倉宿キティパーク】
放し飼いのウサギやヤギ等の小動物もいる子どもたちに人気の公園。温泉街を見渡すようにそびえ立つ日本最大級の天狗像が目印です。自然のなかで小動物とふれあう楽しい休日をファミリーでどうぞ。
お問合せ 026-275-0004
- 【長楽寺】
「田毎の月」の名所として知られる長楽寺。水を張った段段の田のひとつひとつに月が映る希有の光景は絶景です。中秋の名月には観月宴が行われ、境内には「俤や姨ひとりなく月の夜」と詠った芭蕉の面影塚など50余りの句碑もあります。
お問合せ 026-273-3578
- 【さらしなの里展望館】
さらしなは伝統あるそばの里。眼下に広がる美しい眺望を愛でながら、地元産そばに舌鼓。展望館一帯には山ツツジが生息し、花の季節は絵のような美しさです。遊歩道の散策も一興です。
営業時間 夏季/11:00〜14:00、17:00〜20:00・冬季/11:30〜14:00、17:00〜20:00(予約制)
定休日 毎水曜日(祝祭日の場合振替)
お問合せ 026-276-1040(FAX共通)
- 【長野県立歴史館】
原始から現代まで、各時代のメイン展示が信濃の歴史の旅に導きます。まずは実際に動くナウマンゾウの実物大模型がお出迎え。マルチメディア、マジックビジョン、映画などを駆使した歴史館です。歴史情報を調べたり、屋外で縄文、万葉、中世それぞれの時代の植生を再現した道具を散策するなど楽しさいっぱいです。
開館時間 9:00〜17:00(ただし、入館時間は16:30まで)
休館日 毎月曜日、祝祭日の翌日、9月下旬は館内燻蒸のため休館、12月28日〜1月3日
常設展示資料 大人300円・高校大学150円・小中学70円(企画展は別料金)
お問合せ 026-274-2000
- 【森将軍塚古墳館】
麓から古墳まで約1km。ハイキング気分で登った古墳の上からは、善光寺平が一望のもとに見渡せます。また古墳館では、森将軍塚古墳の竪穴式石室や、出土した副葬品・埴輪などを、実物や模型・映像によって展示しています。
●森将軍塚古墳館
開館時間 9:00〜17:00(ただし、入館時間は16:30まで)
休館日 毎月曜日、祝祭日の翌日、年末年始
観覧料 大人200円・高校100円・中学生以下無料(企画展は別料金)
●森将軍塚古墳◆見学バス
運行時間 9:00〜16:00
運行日 休館日および12月〜3月の冬期間・乗車料 大人200円・小学生100円・6歳未満無料(片道料金)
※個人に限り、古墳館とバス往復共通券(500円)あり
お問合せ 026-274-3400
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